南山大学人間関係研究センターの公開講座に行ったら最高の体験学習が出来た
はじめに
5億年振りにブログを書くぞ。
今年に入ってから、スクラムマスターをやらせてもらったり、ここ最近はエンジニアリングマネージャーのお仕事をしたりしているのですが、そういった役割を任されるうちに、会議のファシリテーターや1on1のメンターをする機会が増え、組織開発って面白いかもと思い始めました。
しかし、自分の力不足を痛感することも多く、会議に参加している人やチームメンバーに対して、コスト(時間)に見合った価値を提供出来ていないのでは?と思うことが増えました。
そんな中、ヘイシャの人事部長からこんな情報が。
3年くらい前に組織開発を学ぼうと思って色々調べていたら、南山大学の人間関係研究センターに辿り着いて、そこの公開講座を受講したのだけどこれがよかった。「集団で成果に向けて行動する時に自分はどんな行動特性を持っているのか」を知れるプログラム。日々のファシリテーションに活きている。
— takumix | indi取締役 (@takumixi) 2018年8月15日
課題を感じているのに放置してるのダサいし、チームメンバーに対して無責任だし、格好悪いし、行くしかない!と一念発起し、先週末受講してきたので、今回はそのレポートを書きたいと思います。
ちなみに、組織開発と聞くと仰々しいイメージがあるかもしれませんが、普段の仕事をする上でもとても役に立つ講座だったので、エンジニアの方にもめっちゃオススメです。
南山大学人間関係研究センターとは?
僕は組織開発の専門家ではないので、詳細な説明は公式のHPをご覧いただければと思いますが、ラボラトリー方式(自分や他者、グループを成長させるために行動を試みる場)の体験学習という"プロセスから学ぶ学習方法"の研究と実践を行っている教育研究機関です。
その中で、いくつかの公開講座が行われており、今回僕は「人間関係講座(グループ)」という講座を受けました。
ちなみに、恥ずかしながら僕は受けるまで全然知らなかったのですが、南山大学はこの分野で国内トップクラスの権威があるそうです。
どういう講座なのか?
「人間関係講座(グループ)」という名前の通り、グループの中での人間関係について学んでいく講座になります。もう一つ「人間関係講座(コミュニケーション)」という似たような名前の講座があるのですが、こちらはグループよりももう少し小さい単位(1〜2人程度)での人間関係を学ぶ講座のようです(こちらも今度受けてみたいな〜と思った)。
講座の主な目的(学習目標)として…
- グループの中で他者と関わる自分の特徴に気づく
- 「コンテント」と「プロセス」とは何かを理解する
- グループの中での人間関係(グループプロセス)に目を向ける重要性に気づく
の3つが挙げられています。
こちらも詳しくは公式の講座案内をご覧ください。
当日の講座内容について
講座は土曜日・日曜日の2日間行われます。具体的には、
- グループを組んで様々な課題に取り組む
- その振り返りをグループで行う
という流れを繰り返しながら、進んでいきます。実習やワークショップばかりではなく、所々小講座という形で理論的の話もしてもらえます。朝から夕方までみっちりやるので、とても濃密です。
学んだこと
メモレベルですが、僕はこんなことを学びました(間違っていたらごめんなさい)。
- グループで何らかの仕事や課題に取り組むと、どうしても課題の内容そのものに夢中になってしまう。
- 課題の内容そのもののことをコンテントと呼ぶ。
- コンテントに夢中になると、他者の気持ちやお互いの関係に目が向けられない。
- 他者の気持ちやお互いの関係のことをプロセスと呼ぶ。
- コンテントは氷山の一角で、プロセスはコンテントの下に潜んでいる。
- プロセスが上手くいかないと、グループのコミュニケーションがうまくいかず、コンテントの結果にも影響する。
- コンテントが上手くいかないと、プロセスのチェックも疎かになり、悪循環に陥るなと思った。
- プロセスにはタスク・プロセスとメンテナンス・プロセスの2種類がある。
- タスク・プロセスはコンテントに直接働きかけるもの。
- 例: 時間管理、目的や手順の明確化、アイディアをまとめるetc
- 比較的観測可能。
- メンテナンス・プロセスはコンテントに間接的に働きかけるもの。
- 例: 雰囲気、関係性、個々人の様子etc
- 目に見えないものが多い。
- タスク・プロセスはコンテントに直接働きかけるもの。
- 「売上は全てを癒す」という言葉は、コンテントが上手く言っているとプロセスに多少問題があっても気にならなくなることなのかなと思った。
- でも本当に全てを癒しているのかは怪しいなとも思った。
- リーダーとリーダーシップは違う
- リーダーシップとは、コンテントを達成するための過程で、影響を与えている人と受けている人の関係性のこと。
- リーダーシップはタスクプロセスの中に位置づけられている。
- リーダーシップにはP機能とM機能がある
- P機能は情報や意見を求めたり、課題を推進したりといったコンテントに直接働きかけるもの。
- M機能は雰囲気を和ませたり、励ましたりといったメンテナンス・プロセスを改善するもの。
- 両方出来る人がいればそれはそれで素晴らしいが、人には得意不得意があるので、グループでリーダーシップの役割分担をするのが良い。
- 分有型リーダーシップという言うらしい。
- サーヴァント型リーダーシップはGoodだが、カントリークラブマネジメントはBad。
- 実際にフィードバックを受けないと、相手の気持ちなんか分からない。
当然ですが、これ以外にもたくさんの学びがありました。
感想
おわった!!控えめに言ってとても楽しかった!!
— いとしょ (@itosho) 2018年11月18日
というツイートを終わった直後にしたのですが、本当に最高でした。とにかく実習が多いので、知識が体に取り込まれるイメージがあり、体で学んでる感覚がありました。
その中でも、僕は振り返りの重要性を改めて感じました。仕事では今もそれなりに振り返りに力を入れていると思っていたのですが、どちらかと言うと、タスク・プロセスの改善ばかりやっていたなという反省があり、これからはもっとメンテナンス・プロセスにも目を向けていこうと思いました。そして、そのためには、もっと個人からの個人へのフィードバックをしていかないといけないなぁと痛感しました。他人のことを分かった気になってる状況ほど厄介なものはないと思います。
あと、全国津々浦々から様々なバックグラウンドを持った方が集まって来ているので、そういう人たちと触れ合えるのも単純にとても刺激がありました。もっと外に出ていくぞ〜!
ただ、めっちゃ疲れるので、そこだけは予めご注意ください。でも、とても心地よい疲れだったなぁ。
ちなみに、僕がよく言われたこと
何度もフィードバックを受ける機会があるので、自分の特性を改めて認識したり、発見したりすることも出来ました。初対面の人からも普段よく言われることを言われると、本当そうなんだろうな〜と認めざるを得ない!というわけで、僕がよく言われたことを晒してみます。
- 最後まで諦めない
- 落ち着いている
- ムードメーカー
- 裏のリーダー
- フラットに物事をみてる
耳障りの良い言葉が多いですが、それは初対面という関係性の中で言ってもらったことなので、ある程度忖度してもらっていると思います。長所と短所は表裏一体だと思うし、上記の特性も場合によってはマイナスに作用することもあると思うので、気をつけよう。
おわりに
というわけで、本当にオススメです!最後にお金を話をするのもアレですが、これが1万円ちょっとで受けられるのは本当にお得だなと思いました。人それぞれ感想は違うかもしれませんが、少なくとも受けて損はないと僕は言い切れます。
あと、受ける前にこちらの本を読んでおくと、講座の内容がより理解しやすいと思います(これも上述の人事部長に教えていただいた)。
ちなみに、受けるとこんな修了証をもらえます。